1985年9月14日土曜日

昭和60年度 第22回 サンゴ草まつり

期  日 
昭和60年9月14日~16日
本祭りは、9月15日

例年ではあるが、当日のツブ、ホタテの販売及びツブ、ホタテ焼き賞味会は大人気であり、カラオケ大会は、地元の外近隣町村の北見市、美幌町、津別町、斜里町、遠くは札幌市よりの来遊者の出場で会場内はヤンヤの喝采が渦巻いた。

サンゴ草まつりは、毎年9月の第二日曜日に開催されているものであるが、今年は皇太子殿下、同妃殿下ご夫妻のご視察と重なる為、わざわざ一週間まつりを延期して、ご夫妻をご歓迎することとなったのであります。

皇太子殿下、同妃殿下には、海の日の行事にご出席なさるため、ご来道され、新女満別空港にお着きになり、宿舎である常呂町栄浦のサロマ湖東急リゾートに向かわれる途中、網走市卯原内の能取湖畔でサンゴ草の群生地をご覧になるのでありました。


サンゴ群落としては全国一の能取湖を有する地元卯原内としては「皇太子殿下、同妃殿下ご夫妻に、ご覧頂けることは光栄です」と、観光協会と卯原内町内会、同部落では、ご歓迎用の、日の丸の小旗を千本用意して、地域を挙げてご歓迎することとなりました。

 <「光栄です」と本間観光協会長>

お立ち寄る群生落には地元住民及び隣の二見ヶ岡地区からも参加し、両殿下がお通りになる嘉多山地区では、沿道でそれぞれに住民がお迎えすることとなったのです。

今年は、春先の霜と、昨年整地したところに潮が入ったためサンゴ草の生育が、例年より悪かったが、9月に入ってようやく真紅に色づき始めたのであります。

色づきを一番心配していた本間観光協会長は、「ありのままの姿を皇太子殿下、同妃殿下にご覧いただきたい」と広場を少し整地しただけで、特別に手入れはしないこととなったのであります。

しかし、当日になって夜半来の猛雨は、全く止みそうもない最悪の天候となった。群落地内も、お立ち台場も水浸しの状態となった為、市、及び土現が火山灰を運び整地に大わらわ。

関係者は、正装の上に作業服を着て、水たまりの埋没の指揮手配に懸命であり、私たちはご来場されるまで、雨の止むことを祈るのみである。

ご到着の時間が近づくと、奇跡が起きた。

激しく降り注いでいた雨が突然晴れ上がり、太陽もでた。誰からともなく歓声が上がった。

俄かに辺りが騒々しくなり、人の動きも激しくなって来た。

お待ち申していた両殿下のご到着である。

あの豪雨は全く嘘のようである。

 <皇太子殿下・同妃殿下 御来訪>

「サンゴ草」についてご説明役に当られた、本間観光協会長のあの雄姿と大役遂行は、今もって忘れられないが、時には身を乗り出してご説明を聴聞され、首を前後にうなずかれる両殿下のお姿は、お歓迎申し上げた私達に満足をお与え下さったものです。

その時一羽の白いゴミ鳥が深紅のサンゴ草群落上に舞い飛び、「アラ、すばらしい!!」とつぶやかれた妃殿下のお様子が真に印象深かった。

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